私が30歳で経営移譲してもらえた理由

事業承継 人生
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通常、
農家の世界での
経営移譲の年齢は、
私の周りを見渡すと、
30代後半から40代
になってからというのが、
一般的です。

殆どが、
親父が弱ってこないと、
経営移譲の話は、
進みません。
理由は、
「まだ、あいつには任せられん。
あいつに任せると、潰れてしまう。」

という、一方的な親父側の言い分と、
親に言われた作業しかしない、
給料もらいよった方がいい

という息子の向上心の無さが原因でもあります。

私は26歳で就農し、
親父の下で働き出しのですが、
最初の1-2年は、
まあ良く言い合いの
喧嘩をしました。

当初は
親父と一緒に二人で仕事を
と思っていたのですが、
途中から、
これは絶対無理だと悟りました。
自分がやりたい事と、
親父が今までやって来た事が
全く違ったのです。
親父は、
今までこれでやって来たという自負がありますし、
なかなか譲りません。
新しい事を受け入れてくれません。

その理由ない自信や方針が納得出来ず、
よく喧嘩になっていたのだと思います。

これは、
経営移譲してもらって
代表になるしかないと考えました。

当時の自分がやった事は、
次の事です。
必ず、親父より先に仕事に行くこと、
どんなに前の日飲んで二日酔いでも、
仕事をサボらないこと、
過去3年を含め売り上げの分析をすること、
(どこに何がどれだけ売れたか)
過去3年の経理をみること、
1年後、3年後、5年後の
経営体系、経営方針、
作付け計画、売り上げ目標を立てること、

そして、
経営移譲の時期を決めることです。

その時はまだ独身で
結婚が決まった彼女もいなかったのに、
勝手に
経営体系図に妻を入れていました(笑)

そして、
実務としては、
親父との情報共有をする
ホワイトボードを作ったこと、
自分のお客さんを作ったこと、
自分の思いで商品が作れる場所を
確保したこと
です。

毎日の仕事も、
親父から指示を受けるのではなく、
過去の作付け実績や
自分なりの作付け計画をみせて、
こちらから親父に打診する。
そうすることで、
じわじわっと自分の方に
主導権を持って行き、
親父と意見が合わない時は、
喧嘩はしない。
グッと耐えて、
自分の商品を売ることに専念する。
親父に実績を見せることです。

あとは、
経営移譲のタイミングです。
親父が弱ったり、
周りがそういう雰囲気になってきたり、
そんなの待っていても、
いつになるかわかりません。
そこで、
自分は結婚というタイミング
使いました。
丁度、30歳になる歳の
11月に結婚式を挙げたので、
式の最後の新郎挨拶で、
「来年から金華園の代表になります!」
という事を宣言しました。
もちろん、
サプライズではありません。
事前に親父と話していましたが、
親戚、親父の友人、
仕事仲間、自分の友達の前で宣言することで、
自分にもプレッシャーを与え、
親父にも覚悟を見せて、
揺るぎのない事実を作ったのです。

これが、
私の仕掛けた経営移譲を
獲得するための戦略
です。

正直、
うちの親父は婿養子で、
結婚してすぐ、
祖父から経営移譲を受けたと聞いていたので、
その点の理解は
ものすごくあったのかもしれません。
今でも、口には出しませんが、
30歳という若さで、
経営を任せてくれたことには
とても感謝しています。

この経営移譲の話が、
皆さんにどう伝わるかはわかりませんが、
何か少しでも参考になればと思います。

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