RHSウィズリーガーデンの花壇の見せ方テクニック④

ウィズリーガーデン ミックスボーダー イギリス
ロング花壇
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今日は
ウィズリーガーデンのロング花壇の
見せ方テクニックの最後の一つを
書きたいと思います。

今まで3つのテクニックを
紹介してきましたが、
もし、まだ見てない方は、
こちらも読んで見てください。

今日お話しするのは、
色の使い方と
花壇の中の
樹木やグラスの使い方です。

ウィズリーのロング花壇は
全長が128mもあるため、
もし、同じ系統の色で統一すると
飽きてしまいます。
そこで、
色の移り代わりを表現します。

まず、
最初は静かな色(ホワイト→ブルー系)
から始まり、
派手な色(イエロー→レッド系)
に移り、そして、また、
静かな色に戻っていく
という感じで
デザインをされています。
すると、花壇を歩きながら、
その静かな色の花壇から
派手な色の花壇への移り変わりを
自然にみることが出来たり、
一方が静かな色の花壇でも、
振り返ると
反対側の花壇は派手な色の花壇で、
全く景色が違ったり、
楽しさを倍増させる
仕掛けになっています。

静かな色
振り返ると派手な色

そして、
ロング花壇全体が見渡せる場所に立つと
その色の移り変わりが一望でき、
さらに楽しめる
という形になっています。

遠くから見た花壇

どれだけこだわっているんだ
という感じですが、
最後のテクニックは
樹木、グラスの使い方です。

ロング花壇は
全長が長いため、
花壇のセオリ―である、
低い植物を前に植えて、
後ろに行くにつれて、
段々高くしていく
というテクニックを全部に使うと、
とても、
単調な花壇になってしまいます。
そこで、
所々で花壇の前の方に、
背の高い樹木や
グラスを植えて、
壁を作ってしまいます。
そうすると、
花壇を歩いていると、
その樹木やグラスで
花壇の奥が見えなくなります。
そして、人はその奥が見たくなります。
ワクワクしてみる景色は
美しさが倍増します。
そういう心理を利用した
デザイン設計をしているのです。

遠くから見ると
一つの花壇なのですが、
近くに行くと
花壇の中に
さらに小さい花壇を見つけれる
という楽しませ方です。
最高ですよね。

奥が見えない仕掛け

ここで、
小ネタ話をしますと、
ある日、ウィズリーに
日本人のツアー客が来られ、
私のボス(イギリス人)が案内だったので、
同行したことがありました。
そのツアーは通訳がついており、
日本人のイングリッシュガーデンの先生
(マダム的な方)が
イギリスの庭を案内する
という感じのツアーだったんだと思うのですが、
このロング花壇を見ながら歩いているとき、
そのツアー客のお一人が
花壇に植わっている植物を
触ってしまって、
先生に注意されていました。

「せっかく綺麗に手入れされているお庭を
触っちゃいけません!」
みたいな感じだったと思います。
みんなもっともだと思い、
手を引っ込めました。

すると、
次の瞬間、
私のボスが、
花壇か飛び出ているグラスを触りだし、

「これは、わざと飛び出すように
デザインしています。触ってもらって
その感触も楽しめるようにしています」
と言って、
花壇の植物を触りながら
どんどん歩き出したのです。

その時の
何とも言えない空気は
忘れられません(笑)

でも、同時に、
その日本人のイングリッシュガーデンの先生は
損しているなー、
うちのボスが言ったように、
植物の楽しみ方って、
色々あるのになーと思いました。

思わず触りたくなるようなグラス

以上が、ウィズリーガーデンの花壇の見せ方テクニックでした。
皆さんの庭の参考になればと思います。

それでは、また、

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