最新の園芸品種が集まるウィズリーガーデンの仕組み。

ウィズリーガーデン トライアル イギリス
デルフィニウムのトライアル
Pocket

ウィズリーガーデンの魅力の一つに、
多くの園芸品種が植栽されている
という事があります。

これは、
数多くあるイギリスのガーデンの中で、
ウィズリーが一番だと断言できます。

ウィズリーを訪れる人は、
自分の庭に植わっていない
新しい魅力ある植物との出会い
楽しみにしています。

ウィズリーガーデンで育っている植物は
自分の庭でも育つ。
このような感覚で
訪れる方も多いと思います。

では、なぜ、
ウィズリーガーデンには、
そんなに多くの園芸品種が
植えられているのでしょう。

今日は
その素晴らしい仕組みについて
書きたいと思います。

同じようなことが
日本でも出来たら、
日本の園芸業界も
もっと、発展するだろう

と思う仕組みです。

そのカギとなるのは、
トライアル(試験圃場)と
AGM(Award of Garden Merit)

の存在です。

ウィズリーガーデンには、
ガーデンの一角に
トライアルという場所があります。

そこは、
種類ごとに
沢山の園芸品種が
試験栽培のために
植えられいます。

そして、
それぞれの植物ごとに
コミニティーがあって、
その方たちが定期的に訪れ、
植物の生育、花、樹姿などを
年間を通して評価します。

そして、
最終的には
その年のAGMを決定します。
いわゆるその種類の中の
一番の園芸品種として認定されるんです。

デルフィニウムの評価試験
スイトピーの評価試験
菊の評価試験
クレマチスの評価試験


AGMに選ばれると、
その商品を売る時に、
AGMの称号を宣伝として使え、
買う人は安心して購入できます


このAGMは
ウィズリーガーデンのトライアルで
一番よく育ったものなので、
新しい品種でも
自分の庭でも上手くいくという
信用が得られます。

すなわち、
新しい品種を世に出したい育種家は
こぞってウィズリーのトライアルに
挑戦します。

ウィズリー側は、
お金を出して買わなくても、
新しい品種が沢山集まるという
仕組みです。

もちろん、ウィズリーでは、
AGMを取った植物を
ガーデンの植栽でも使いますし、
(これも自分たちで苗を増やすのでタダ)
それ以外の植物も
良ければ積極的に
ガーデンの植栽に使います。

そしてなんと、
その植栽された場所には、
ラベルが立てられ、
生産者の名前も書かれています。
生産者としては、
これ以上に無い宣伝となります。

右上のマークがAGM
名前の下に生産者名が書いてある

日本では
鉢物の品評会は
市場などで行われていますが、
あれは、
生産者の栽培技術を評価するものであって、
品種自体の評価ではありません。

その植物がどんな生育をするのか、
病気に強いのか、
花の期間は?
咲いた後の姿は?など、
総合的に評価するようなことは
ありません。

私は
植物を品質良く育てる事は
生産者にとって必要だと思いますが、
それより
その植物の本当の姿を
総合的に評価できるようになると
もっと、その植物の魅力を
伝えることが出来、
園芸ファンも増えるのではと
思っています。

日本でも、
園芸植物を評価するような
トライアルがあったらいいなー
と思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました