今日は
P-DESTM(株)と
宮崎大学の
共同研究で生まれた、
新品種のブルーベリー、
テラスブルーベリー
について
書きたいと思います。
新品種といっても、
品種登録したのは
10年前の
平成22年に
なります。
私を含め、
生産者4名で、
宮崎大学農学部と
共同研究を行うために
設立した
P-DESTM㈱と
宮崎大学の
共同で
登録申請を
行いました。
テラスブルーベリーの
特徴は
名前から想像がつくかと
思いますが、
テラス、ベランダでも育てられる、
コンパクトで実をつける
ブルーベリーです。
通常、
ブルーベリーは
放っておくと、
2m-3m
にも大きくなります。
ですので、
鉢植えでずっと育てるには
向いておりません。
しかし、
このテラスブルーベリーは
母親、
ローブッシュブルーベリー
(這性のブルーベリー)
父親、
南部ハイブッシュブルーベリー
(フローダブル)
のF1から
選抜した品種ですので、
樹姿は
母親と同じように
コンパクトで
大きくならず、
果実は
父親と同じように、
甘くて
比較大きい
実をつけます。
両親の
良いとこ取りのような
品種です。
ベランダで
育てられる
ブルーベリー、
食べたい時に
ベランダに
収穫に行く、
テーブルの
上に置いておけば、
朝食を食べながら
収穫できる。
なんて
夢のような
ブルーベリー
なんだろう。
これは
売れるだろうと
確信してました。
しかし、
現実は
そうはいきません。
原因は
2つある
と思います。
1つは、
ブルーベリーブームが
終わりになっていたこと。
ブルーベリーは
アントシアニンなどの
効果が注目されたと
同時に
全国各地で
摘み取り園などが
オープンし、
沢山の品種が
外国から
導入されました。
実付きの
ブルーベリーも
ホームセンターで
買えるようになり、
その名前は
一気に
全国へと
広がりました。
以前は、
新しい品種が出ると、
皆さんが飛びつき、
売れていたのですが、
10年前で既に、
その雰囲気は
無くなって
しまっていました。
もう一つは、
挿し木繁殖が
困難だ
という事です。
テラスブルーベリーは
通常の
ブルーベリーに比べて、
挿し木の
発根率が
高くありません。
加えて、
挿し穂となる枝が
あまり伸びないため、
挿し木できる
本数が
限られてしまい、
急激な
繁殖増大が
難しいのです。
得てして、
その販売は、
ある一つの
ホームセンターで
行っていたのですが、
数年前に
販売の中止を
余儀なくされました。
正直、
我々の
販売に対する
努力と
挿し木繁殖に対する
研究が
足りなかった
とも言えます。
未だに、
テラスブルーベリーの
問い合わせは
たまにあったりします。
品種登録から10年。
時代は
また
変わり始めました。
色んな物の価値が
見直されています。
テラスブルベリー、
もう一度
しっかり
作ってみようかなと
思っております。
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